※ネタバレを含みます。未視聴の方はご注意下さい。




今回から採点基準を変更した。基本点50点プラス各項目10点ずつという割り振りは同じ。
前回までネタ台本にウェイトが置かれすぎていたので、今回からフィーリングも重視、雰囲気や単純な好き嫌いを採点に組み入れるようにした。

キャラクター:キャラの魅力、キャラ同士の相性、またネタとキャラの整合性など
台本:ネタ台本があると想定して、構成や構造など
センス:発想力、新しい着眼点など
可能性:別のネタへの期待
印象:言語化しづらい雰囲気、感覚的な評価など





一組目: 矢ればできるノ


超絶スロースタートのコンビで開始時はひやひやした。のど自慢の合いの手練習に入ってからが一気に調子が上がった印象。
ここまで前後半で差ができるなら、いきなりのど自慢の練習をはじめて意表を突く方がウケるんじゃないか。
特にこのコンビ、緻密な言葉の応酬は不得手に感じる。ネムノのキャラクターを武器に、ノリと勢いをはじめから押し出すようなネタ作りの方が映えると思う。

キャラクター:7
ネムノ、成美とも、幻想BBSに通じる引きこもり感がある。
ネムノの個人主義な自由さと、成美の一歩引いて相手と合わせようとするも上手くいかない感じのバランスが良い。
おそるおそる手を叩く成美の仕草がかわいい。

台本:7
ネムノの問題提起。相方(成美)に売れて欲しい→成美の人付き合いが下手だから練習しよう→のど自慢を盛り上げる練習
流れの強引さは楽しい。しかし、歌ネタのまま終了するため、最初の「相方に売れて欲しい」はどこいった? と感じる。
「どの口が言うの」というフレーズは後半で「お前に言われたくねぇわ」に変更しない方が好き。
曲名に2回「城下町」入れて笑いにしている。このルールで外しを入れるなら4回目からじゃないかな? 3回目で外すのは早いと感じた。3回目は「城下町」要素がないのに曲名に「城下町」が入っているというボケぐらいにとどめて、4回目に外しを入れた方が構造を生かせると思う。「HARAKIRI」自体の破壊力がある分余計にもったいない

センス:7
合いの手を強制させるネタ運びが楽しい
「殿殿」「姫姫」など、デタラメで楽しいボケ

可能性:7
彼女らの他のネタが見たいかどうか。とりあえず7

印象:7
トップバッターで盛り上げてくれた彼女達に感謝。後半の勢いがドアタマで一発だけでもあればかなり変わった。名前を間違うという掴みはちょっと弱すぎた


キャラクター:7
台本:7
センス:7
可能性:7
印象:7

85点





二組目: パーフェクトフェアリー


チルノの「学がない」というフリが、終盤の一人芝居で炸裂するという結構ちゃんと練られたネタではある。ただこの構造のために序盤「炎上が怖い」というチルノが賢く見えてしまっているのが惜しいところ。漫才師なのでアホなことやっているように見えて実は計算してる、というのは当然だけど、わかんないように見せて欲しいもの
妖精同士のコンビ、二人の会話が終止平行線になるのではないかと心配したが杞憂に終わった。大ちゃんの面倒見の良さは惚れる

キャラクター:6
終盤、チルノのシュールに見える自由なボケが彼女の真骨頂だとすれば、このネタ選択はハイリスクだったと思う
このネタは「実は賢いキャラがデタラメなボケをやってる」ように見える。逆に「デタラメなボケをやっているキャラが実は賢い」と相方があえて暴露してしまって、ボケ側が焦る方が面白い

台本:7
「あたいですか?」が素晴らしい。4回目あたりで客がくすくすし始め5回目で明確に笑いに変わる。大ちゃんはもうちょっと我慢してからつっこんでもよかったかも
「丑三つ時」のボケは「学がない」フリを示す重要なつかみだが、ウケが弱かったの残念
「炎上」をオチにするなら、つかみを「炎上」関連にした方がよかったかも

センス:7
コメンテーターをやりたいというネタは古典的ながら、チルノらしいボケが満載で楽しい

可能性:8
もう一本ネタが見たいという点では一組目を上回る

印象:8
「あたいですか?」はあれだけウケたんだから、オチでもっかい使えばいいものを! もったいない!
ラストで「あたいですか?」が来れば、プラス2~3点変わる


キャラクター:6
台本:7
センス:7
可能性:8
印象:8

86点





三組目: 依神シスターズ


ああ言えばこう言う押収をとにかく突き詰めた「究極の二択」ゲーム。二択の種類を広げる横の展開ではなく、二択の条件を足していく縦の展開を軸にしたところが、斬新で面白い。
なにより紫苑と女苑のやりとりが台本っぽく見えないというのがスゴイ。真面目にふざけ合ってる二人を見て、第三者が笑える。漫才の理想型だと思う。

キャラクター:9
「モノとかお金には釣られません!」で会場から笑いが起きるのは女苑だからこそ。ネタ選択とキャラクターが絶妙にマッチしている

台本:9
「ニット帽」というどうでも良い条件から、「助けてくれたら1000万円」、「信長の土下座」、……条件のステージが綺麗に上がっていて鮮やか。おっさんageから恋人sageに移行するのも楽しい。恋人の浮気相手が門番というチョイスも見事
オチが読めても楽しめるタイプの非常に優秀なフォーマットを完成させたと思う

センス:9
展開を縦に伸ばしていく斬新さに加え、ロールスロイスの車、信長の登場など、エッジの効いたボケが連発。見事

可能性:8
堅実に一本見たい

印象:9
天子様が絶対にウケるから言えといわれたらしい掴みが異常にウケた
これほどまでに完成しているネタなので、掴みで冒険する必要はなかったような気もする


キャラクター:9
台本:9
センス:9
可能性:8
印象:9

94点





四組目: 後戸パフォーマー


弔辞の練習を本人の前でやるというナンセンス漫才。不謹慎ネタは破壊力が高い分リスキーであるが、里乃の不気味な雰囲気作りで、うまく気持ちの悪い笑いに結びついている。
序盤、相方の死について熱を帯びて語るという気味の悪い空気がたまらない。「こいつイカれてんな……」という人を選ぶ笑いだが、私は好きです。
それだけに、中盤終盤イカレ具合が失速していったのは惜しい。「想像して。その間、私、踊ってるから」は最強

キャラクター:9
里乃と舞のやりとりの噛み合い方が抜群に思える。だからこそ相方の弔辞を読みたいという狂った設定のネタでも腑に落ちる。

台本:6
冒頭の掴みから弔辞のくだりにいく流れはスムーズ。「2度相方に先立たれた」「前の舞はボクって言わない」などパンチのあるボケが効いている
「いつ死んでも良いように」「弔辞について考えてる」「ずっと考えている」「それしか考えてない」「繰り返し考えている」「丸暗記している」掘り下げて笑いを増強するのが上手い
しかしながら、「弔辞を丸暗記している」までのくだりがその場限りの笑いで終わっているのがもったいない。「丸暗記」で笑わされた以上、客はそのワードにとっかかりを覚えている。よって、コントに入って一発目に「丸暗記しすぎてソフトークの倍速再生みたいな無感情な弔辞になってる」というボケで昇華するか、オチで「実はいままでのやりとりがすべて想定通り」というボケで昇華するかすべきだったのではないか
「死んでんのかい」「いや死んでるよ」は、三組目と対照的に悪い意味でオチが読める上、「丸暗記」のくだりと齟齬が起きている

センス:8
コントに入って一発目「死人が立ってることへの指摘」は斬新。二人の間に流れる微妙な空気も最高。ただ、メタ笑いは一回が限度だと思う。天丼効果は得難い
突如踊りを組み込むのは非常に楽しい。しかし、ぶっ飛んだボケを入れるなら、やはり序盤の「丸暗記」のフリは解消してからにしないと違和感がある

可能性:6
他のネタも気になるところではあるが、このネタの完成形が見たい

印象:8
大舞台においてこのネタを選択した度量がすごい
大好きすぎるがゆえに、余計に粗が目に付いてしまったのかもしれない


キャラクター:9
台本:6
センス:8
可能性:6
印象:8

87点






五組目: Oki☆sha☆


ロリコンを否定する相方に、無理矢理淫乱行為の謝罪会見の練習をさせるという、最高におもしろい設定のネタ。この時点で印象点が振り切れているので、あとはミスがないことを祈るのみだった。

キャラクター:9
男女コンビだからこそできるネタ。ベストカップル賞

台本:9
ネタそのものの完成度は依神シスターズの方が高いと感じたが、ボケの隠岐奈のいじり方の上手さとふて腐れた易者の態度が絶妙に噛み合って良い味を出している
「やったことはしょうがないんだからね!」「やったのかなぁ……?」からの展開は白眉

センス:9
まさかの女子高生との淫乱謝罪会見ネタ選択。2018年の締めにふさわしい。これができるから東方M-1はすばらしい

可能性:9
悔しいがもう一本見たいと思わざるを得ない

印象:10
「おっさんが未成年者に手を出すことが流行っている」という言い回しの妙。隠岐奈のワードチョイスはかなり高度
掴みの勢いを中盤維持しただけでなく、終盤綺麗に爆発させた。調子漕いだ易者の口調が笑える。「何故ですか、って聞いてごらん?」って言って自分で吹き出すのがたまらん。文句なし


キャラクター:9
台本:9
センス:9
可能性:9
印象:10

96点






最終決戦一組目: 依神シスターズ


紫苑のニヤニヤ笑い「職質ジョーク」がどんどんエスカレートしていく漫才コント。
コント単体で見るとかなり上手い構成。しかしながら、コント入り前の押し問答に勢いがある分、コントに入った途端失速したように見えるのが難点。コントに入って最初のボケがシュール系なので余計に失速が際立ってしまったように感じた

キャラクター:9
キャラを生かした掴みと導入部。「誰が誰に言ってるの」は最高に面白い

台本:7
職質ジョークをどんどん過激化していく構成は見事。「はちみつレモンのにおい」というかなり弱いボケから始めていることが良い味を出している。発砲許可の天丼部分がピーク
「殺人事件がありましてね」は最初のボケを済ませた直後「実は~」とすぐ言った方が良い。この情報は後出しされると「作り物感」が際立ち過ぎる。早めに「いかにも人殺しそうな服装」とかボケを足せば、導入部の問答とも整合性がとれる。さらに、終盤ルーミアの服装と全然違うというボケがより説得力を持つ。

センス:9
「職質ジョーク」を言葉だけでなく顔で表現しているのが最高
このコントの配役、警官紫苑、被疑者女苑としているのが良い。身なりについてはもっといじってもウケた

可能性:8
この二人はもっとできる!

印象:7
オチの「職質ジョーク」で顔作らないのは失敗だろうと思う。最後の最後こそサイコパス感を出して、「まるでジョークに思えない」という状況をしっかり印象づける方が、これまで積み上げてきた「職質ジョーク」が綺麗に昇華される



キャラクター:9
台本:7
センス:9
可能性:8
印象:7

90点





最終決戦二組目: Oki☆sha☆


これはよくできた良いネタ。「いちゃいちゃデートをしたい」というありがち設定なのに、前振りでメタ視点を入れることで笑いやすい環境を作っている
隠岐奈の「そんなヤツが読書家のわけないじゃん」でほぼ優勝だと思ったけど、後半もう一度跳ねた。「あれ?」となる箇所が一度も無く安心して笑えた

キャラクター:10
一本目のネタ「ロリコン」が効いて倍笑える。隠岐奈の「気持ち悪い……」の顔が最高

台本:9
オーソドックスな作り。前振りが面白さを後押しする

センス:10
隠岐奈、易者ともワードセンスがえげつないと思う。笑えるワードを的確に選択してくる。隠岐奈の「そんなヤツが読書家のわけないじゃん」が出てくるタイミングがすごすぎる……
マンモスのくだり、単独公演ならこいつら絶対下ネタ入れるんだろうな、と思った。遊びすぎて20分超えるネタになりそう

可能性:9
ボケツッコミどちらもいけるコンビ。まだまだ底知れない

印象:10
「へらへらすんなよ気持ち悪い!」で鳥人間コンテストを思い出した
前振りの隠岐奈のツッコミの段階で上限値を超えた。崩れるところが想像できなかった



キャラクター:10
台本:9
センス:10
可能性:9
印象:10

98点










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